平成27年10月16日 アイミティ浜松にて
「安全な石鹸について学ぼう」と題して、太陽油脂を講師に講座を開きました。
今回は、石鹸の基本的なお話と、実際に石鹸を作ってみるお楽しみがありました。
参加されたのは、大人12名。お子さん3名。
普段使っている石鹸と、身近な合成洗剤がどう違うのか、お話を聞いてわかりました。
今回は、少し難しい用語も出てきて、ちょっとした理科の授業みたいでしたよ
こちらが、講師の藤澤さん。
石鹸も、合成洗剤も混ざらない2つの物質を混ぜ合わせて、汚れを落とすので、同じ界面活性剤です。
でも、石鹸は自然界で生まれたもの。それに比べて、化学的に合成されたものが、「合成界面活性剤」といいます。
家庭の排水の中に合成界面活性剤があると、浄水場でも分解できないものが残り、また水道に入っている
ところもあるそうです。そこは、水道水が泡立つそうで…
そんな原因を作ったのも、人間です。
ここで一人でも石鹸の良さを知って、石鹸生活にしてほしいものです。
では、石鹸って、そんなにいいものなの?
はい。石鹸の材料は、ここで作ることができるくらい簡単なものです。
食用油+苛性ソーダです。
では、早速作ってみましょう
今日はオリーブオイルと苛性ソーダです。これを混ぜます。
ドキドキワクワク
混ぜて振ること3~5分。温めるために布をかぶせています。
とろみが出てきましたね。これに、お好みの香りや色を混ぜてコップに移します。
はい出来上がり!そのまま1か月乾かします。
「え~、1か月も」
今日は小さいものでやったので1か月ですが、工場だと2か月かかりますよ。
「へえ~、2か月」
ここで、ちょっとお勉強。石鹸と合成洗剤を比べてみましょう。
まず、材料。石鹸は5000年前から存在し、自然界のもの(天然油脂とアルカリ)でできています。
一方、合成洗剤は、戦後石油を原料にして500℃くらいの高温、50気圧という工場の中で作られました。
安い原料なので、どんどん普及しました。
ところが、川や海が泡だらけになったり、そこにいる生き物が死んだり、
人間も手荒れになったり社会問題になりました。実は、手荒れだけでは済まされず、
皮膚から入ったものが肝臓に蓄積し病気になるケースがあります。
合成洗剤の成分はなかなか分解されず、50年たってもまだ残っているという報告もあります。
その点、石鹸はいいですよ。川や海に流されたら、カルシウム石鹸に変化します。
これは別名食用石鹸とも言われ、魚が食べてくれます。その海の中の状態をちょっと実験でお見せしましょう。
海水に見立てた食塩水に、台所石鹸を入れると、
どうなるか。
この割りばしの周りの白いものが、カルシウム石鹸です。
実は飼料として製品化しているのですよ。こういう白い粒です。
これ、食べられます。魚が食べても安全なものですし。どなたか味見したい人?
「はい!」(おお、ちょっと勇気ある人)
「味はしないですね。」
別の実験も見せてくれました。
ご家庭で、マヨネーズなど、酸っぱいものを石鹸で洗うとぬるぬるしてしまう
という経験はありませんか。これは、食器を洗う前にふき取ってください。
その状況を再現すると・・・
台所石鹸に酢を入れます。そうすると、
油の塊ができてしまいました。
その油がスポンジについたまま次の食器を洗うと・・・
洗っているはずが、汚れを広げていますね。
ひと手間なのですが、酸はふき取ったり、流してから洗ってくださいね。
洗濯物も、酸に反応しますよ。汗です。汗のついたまま洗うと、汚れが落ちにくいので、
水で洗ってから、石鹸洗剤で洗うといいですよ。
シャンプーは、洗う前にまずブラッシングをして、汚れを浮かします。そして、お湯だけで予洗い。
次に石鹸シャンプーをよく泡立て、指の腹でマッサージするように洗います。
お勧めは2度洗い。そして、しっかりすすぎます。
専用のリンスを髪全体に行き渡らせ弱アルカリに傾いた髪を中和します。
組合員さんから質問がありました。「シャンプーをすると、きしむのですが・・・」
「それは、石鹸シャンプーで洗うとキューティクルが開くので、ぶつかり合ってきしんでいるのです。
専用のリンスを使えばキューティクルが閉じて、滑らかになりますよ。
シャンプーやリンスのどちらかを市販のものにすると、髪がコーティングされてしまいます。
頭皮からの合成洗剤の成分の侵入も心配なことです。」
私が以前読んだ資料で、助産師が赤ちゃんを取り上げるときに、出る羊水の匂いでどのシャンプーを
使っているか銘柄までわかってしまうという話がありました。赤ちゃんにも影響がないわけがないですよね。
最後に、この太陽油脂の販売の窓口になっている「あいのう」の前田さんから会社の説明がありました。
生協の商品にはないのですが、あいのうで扱っているこだわりの卵を使ったカステラを試食にいただきながら
質疑応答をして終わりました。
卵の味がしっかりして、国産小麦を使っているせいか、食感がしっかりとしていました。
カステラというより、パンのような感じでした。
今回は手作り石鹸がメインでしたが、石鹸の話、掃除の仕方、
洗濯の仕方などいろいろと講座ができると思いました。
太陽油脂さんも、石鹸を広めるために講座をたくさんやっています。工場見学もやっています。
今日聞いた人が、少しずつ生活に石鹸を取り入れ、さらにお友達に伝えて、というように広がることを願っていました。
石鹸の良さを知ったら、自分や家族、そして地球ためにいいものだと誰でも思うはずです。
会が終わっても、熱心に質問をされている方、いろいろある太陽油脂の商品を見る方がいました。
陽だまりメンバーで「安全なせっけん」について楽しく学べる講座を開催したいとの思いが、太陽油脂さん・あいのう流通センターさんのご協力を頂きながら実現することができましたね!
参加された多くの組合員さんより、安全なせっけんの事がわかりよかったですとのご意見を頂きました。学習や石けん作りをしたり、日頃の疑問を解消したりと参加された組合員さんに楽しんで頂けたのではと思っています。
コメント、ありがとうございました。
今回は難しいことを実験で見せてくれたので、わかりやすかったです。
身体にいいものとよくないものが一緒に売られているので、自分で選ばなくてはいけません。
企画を通して、少しずつ賢い主婦になっていけるといいな、正しいこと、いいものの中に自分の身を置いておきたいなと思いました。