圧搾一番搾りの菜種油でおなじみ
平田産業を訪ねて、福岡県甘木市に行ってきました。
平田産業は、1902年創業の菜種油専門メーカーです。
菜種の自給率は現在0.04%とも言われています。
※市販の菜種油(キャノーラ油)の原料は、ほとんどが
主にカナダなどから輸入された遺伝子組換え不分別の菜種です。
平田産業が使う菜種は全て南オーストラリア産の非遺伝子組み換え菜種。
現地で密閉されたコンテナで船便で輸送されます。
分別管理されたものには「NON-GMO」の証明書が発行されます。
こうして入って来た菜種は、まず油分などの品質をチェック。
網目の細かさが違う2層のふるいにかけて、ゴミを落とします。
この後、蒸気加熱と焙煎によって、水分を飛ばします。
焙煎を終えた菜種は、圧ぺん機で潰されて搾油の準備が完了。
これが搾油機です。
上下2つのローラーに挟まれるようにして、油が搾られます。
こうして物理的な力だけで搾られた油が圧搾一番搾りです。
菜種に含まれる油分40%のうち、
圧搾一番搾りで取り出せるのは25%。
残り15%は搾油と同時に出る搾りかすに含まれています。
※一般的にはこの搾りかすに「ノルマルヘキサン」という溶剤を使って、
ほとんどの油分を抽出し、一番搾りの油に混ぜています。
平田産業では、搾りかすは油分を残したまま養殖魚の餌(奥)や肥料(手前)として出荷。
搾った原油は、たんぱく質などの不純物を含んでいます。
これらの不純物を取り除くために、まずはお酢を使って不純物を沈殿させます。
お酢による精製の後、お湯を注入して、
水と油が分離する作用を使って不純物を取り除きます。
ここまで精製を終えた菜種油は「赤水」と呼ばれ、
さつま揚げや天ぷら用の油として使われることもあるようです。
菜種油特有の香りがする油です。
※一般的には、これら不純物の除去に、
シュウ酸やリン酸、苛性ソーダなどを用いて短時間で効率的に処理しています。
ただし、一般的にサラダ油は無色で無臭である程良いとされているため、
ここから更に脱色と脱臭が行われます。
白土と活性炭で脱色。
更に高温・高真空状態で水蒸気を加えて脱色されてようやく完成。
市販品の多くがわずか1日で製造できるところ、
丁寧な湯洗いに時間をかける平田産業では、
完成までに1週間を要するそうです。
完成した油は自社の品質管理室で品質をチェック。
おなじみの紙パックに充填されてみなさんの元に届きます。
平田産業のみなさん、
お忙しい中、お話を聞かせてくださりありがとうございました!
平田産業HPに菜種油を使ったレシピが掲載されています。
↓ ↓
http://www.hiratasangyou.com/how.html